2015年11月4日(水曜日)

タワーマンション節税の危うさ

カテゴリー: - shiokara @ 00時01分43秒

タワーマンションを利用した節税対策に税務調査のメスが入りそうです。そろそろ来るかなと思っていましたが、報道では、相続財産のタワーマンションを相続後に売却した場合に、相続税申告に記載した評価額と売却額に大きな差異がある場合は、評価額を見直すというものです。評価額は、相続税法においては時価とあり通達により個別の評価方法を定めています。ただし、通達により算出した時価の額が著しく不適当な場合は、通達の評価方法を認めないということです。
そもそもタワーマンションを利用した節税は、タワーマンションの評価額が、持分の少ないことで低くなった土地の評価額と階数の関係ない建築価額を基にした固定資産税の評価額により、流通価格に比べて非常に低いことを利用した節税策です。この対策の肝は、流通価額が相続税評価通達による評価額より著しく低いということです。報道では、相続税の場合ということですが、贈与税の場合も同様でしょう。すでに実行している方にとっては、税務リスクが一番の心配でしょうが、それ以上に怖いのはタワーマンションの中古物件価額の下落です。正直この節税対策は流行りすぎてタワーマンションの供給が過剰になっていると思います。実行した方は、転売ができないので最低3年以上に塩漬けになるでしょう。都心はまだ大丈夫でしょうが、この報道で買い控えが増える可能性がありますし、実際に課税があれば、下落がさらに進む可能性があります。
節税と課税は常に競争の関係にあります。有効な節税策は流行れば必ず課税されます。
私は、今は改正され利用できませんが定期金評価を利用した節税対策を開発し、効果の大きい限られた資産家に勧めて実行してきました。ただし、詳細は一切公開しませんでした。広がると必ず課税されるからです。
同じ理由で私の顧問先に対しては、タワーマンションを利用した節税は、勧めませんでしたし、意見を求められた時は反対してきました。それは節税に対する税務リスクと、それ以上に節税策が流行れば必ず供給が過剰になり、流通価額が下落すると考えるからです。

たとえ節税策であっても不動産の購入は、あくまでも投資であることを忘れないでください。節税よりも投資リスクをよく考えて実行してください
報道によると1億円で購入したタワーマンションの相続税評価通達の評価額が3600万円だった例があるそうです。この場合の相続税率を40%と仮定すると6400万円×40%=2560万円の節税なので7440万円以上で転売できなければ実際に損をすることになります。
また、これを1億円の借入金で購入した場合、相続税においては他の財産を6400万円マイナスできるので大きな節税効果があります。しかし、転売価額が購入価額より低ければその差額を借金として相続人に残すことになります。相続税評価通達の評価額は、実態に近い時価なのです。相続税や贈与税の額だけに注目していると大切な財産が目減りしていることに気づかなくなります。

なお、この投稿を不愉快に思われる方もいらっしゃるでしょうがあくまでも私見ですのでご了解ください。転載は禁止します。


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